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対人恐怖症の男性と出会った

私は20代後半の未婚女性です。よく原田知世や吉田羊に似ていると言われます。接客業をしていて人と話すことが好きです。 仕事は楽しく、同僚も皆良い人ばかりで順調な日々を過ごしていますが、たまに疲れやストレスが溜まって、息抜きがしたいなと思う時があります。 そんな時は、あるチャットを使って、誰かとオンライン上で何気ない話をするとストレス解消になるので、たまにチャットをしたりしています。

チャットでは、色々な人がいて、性別を偽っていたり、普段の自分とは違うキャラクターを演じているような人が多いです。チャット上で話しているときは女性なのに、連絡先を聞いて連絡してみると実は男性だったり、チャットではクールな印象の人が実際は明るかったりと、本当にさまざまな人がいます。それが楽しくてチャットをしていました。

そんなときに、チャットである男性と出会いました。 その男性は、私よりも10歳ほど年上の30代後半でサラリーマンをしているという人でした。 その男性とはたまたまチャットルームで一緒になったのですが、話してみると面白い人で気が合ったので、何回かチャットで会話をしてから、連絡先を交換しました。 そして、まずはLINEのやり取りをするようになって、徐々に仲良くなってきて、毎日のようにLINEをするようになり、少しずつ好感を持つようになって、いつか会ってみたいね、と言い合うようになっていました。

住んでいる場所は割と近いことが分かっていたので、意を決して、会う約束を持ちかけました。 そうすると、是非会いたいという返事が返ってきたので、週末に会うことになりました。 私はドキドキして、会う約束の場所へ向かいました。一緒にランチでもしようと、午前中に待ち合わせたのですが、彼らしき人は待ち合わせ時間になってもなかなか現れず、1時間ほど待たされました。

もしかして、すっぽかされたかなと思い、あきらめて帰ろうと思っていた時に、連絡がきて、その内容が、「隣を見て」というものでした。 どういうことかなと思い、隣を見てみると、彼らしき人がそこに居ました。 彼と私は、事前に着てくる服や特徴を教えあっていたので、すぐ分かりました。

彼はとても痩せていて、全身黒の服で真っ直ぐに立っていました。それが少しだけ怖く感じましたが、私から声をかけてみることにしました。 名前を呼ぶと、彼は頷きましたが、私の顔は見てくれませんでした。

すると、突然話し出して、実は1時間前からこの場所で待ってたけど話しかけられなくて、どうしようもなくてさっき連絡したんだと早口で上ずった声で言われました。 私はそれに圧倒されてしまい、ただ笑うことしか出来ませんでした。 とりあえず場所を移動しようと言って、歩き出しましたが、隣を歩いてくれず、私の一歩後を付いてきました。 この時点で、もう帰りたかったのですが、会った手前、仕方ないので近くのカフェへ入りました。 彼の座る位置は何故か私の目の前ではなく、隣でもなく、斜めでした。 何だかLINEとかで話している感じと違うね、というと、少し黙っていましたが、意を決したように話し出し、俺、対人恐怖があって、特に女性とはうまく話せないんだということを話してくれました。

あまり深くは聞きませんでしたが、何らかのトラウマがあり、対人恐怖症となってしまって、人とうまくコミュニケーションがとれないようでした。 チャットやLINEのような直接顔を合わせないコミュニケーションならば難なくできるらしいのですが、いざ顔を合わせるとダメらしいです。 私は事情を知らなかったので、最初は失礼な態度をとってしまったり、帰りたいと思ってしまって申し訳ないなと思いました。

彼は、コミュニケーションや行動がぎこちなくて、目線や会話が噛み合わないことが少しだけもどかしかったですが、悪い人には見えなかったので、なんとか私と接するときに感じる恐怖心や緊張などが少しでも和らげばいいなと思って、気を使いながら話したりしました。なので友達と話す時の10倍くらい疲れました。

ですが、そんな苦労もあってか、帰る頃には会ったときよりはぎこちなさが消えて、リラックスしてくれているようでした。

彼は、対人恐怖症を抱えながらも、私に会いたいと思ってわざわざ会ってくれたのです。せっかく会えたのだから、会って後悔させたくないという気持ちで必死だったので、その気持ちが彼に伝わったのかもしれません。

それからランチをして普通に分かれて帰りましたが、彼とはそれからLINEのやり取りをしながら何度か会う仲にまでなりました。恋人関係とまでは行きませんが、友達として、彼が少しでも楽に接せられる相手になれればいいなと思っています。