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深田さんとルビイちゃん、オディールちゃん
私が、「アジリティー」というドッグスポーツを知ったのは6年前。 なんとなく、「犬が飼いたいな」と思ってパラパラめくっていた雑誌にその言葉は載っていた。と、同時に目に飛び込んできたのは、颯爽とハードルを跳び越える犬の姿!
(うーん、おもしろそう!)
私のミーハー根性はとどまることを知らず、1年後に我が家にやってきたのは「将来アジリティー犬になるべき事を半ば義務づけられた」イエローのラブラドールだった。
さながらロッテンマイヤー女史並の教育ママの要素を備えた飼い主の元で、犠牲者と もいえる幼いラブは、生後4ヶ月からの服従英才教育を強いられた。ママの頭には
「まず服従!」という方程式の解法が出来上がっていたのだ。
7ヶ月になってようやく「障害」(ハードル)を跳ぶ練習を始めることになった時、 思わずママは拳を空に突き上げてしまった。「やったわ!ついに念願の日が来た!」
しかし、この時はまだ、昔、雑誌を見た時に感じた(うーん、おもしろそう!)という漠然としたミーハー心の域を出ていなかった。なぜなら、写 真はあくまでも写真で
あり、それ以上の物でもそれ以下の物でもなかったからだ。では、いつ私はアジリティーにはまりこんでしまったか?・・・
それはある1匹の犬との出会いだった。
その犬の事を風の噂で耳にしたのは、我が家のイエローラブが、1歳になる少し前の ことである。
「弾丸娘とあだ名されるとてつもなく速いイエローラブラドールが九州にいるらしい・・・」
それは素晴らしい出会いの前奏曲か?「弾丸娘」「イエロー ラブラドール」
「とてつもなく速い」という言葉の端々が私の心をとらえて離さなかった。
そして、その噂から4ヶ月後、ついに彼女に出会ったのである。
そのときの衝撃を何と語ればいいのだろう。感動の琴線を
フォルテッシモで奏でられたあの気持ちは、どのように伝え
ればよいのだろう?
「憧れ」・・・そう「憧れ」とでも言おうか。
彼女のスタートの表情が素晴らしかった。はやる気持ちを
ぐっと押さえ、足をプルプル震わせながらも、じっとスタートの
合図を待つ瞳が鋭い輝きを放っていた。その電光石火のような走
りは、そこだけ別 世界を織りなしていた。圧巻はスラローム!
まるで、障害物はなにもないかのようなスピードと迫力!
彼女が 駆け抜けていった後、リンク上では土埃が舞い、私は
ポカンと口を開けてしばらくその場を動くことが出来なかった。
そう、その瞬間、私はどっぷりとアジリティーのデ ィープな
世界にはまり込んだのである。
その日以来、今日まで、そしてこれからも彼女は私たちペアにとって「夢」であり「目標」であり「アジリティー」の源である。
我が家のイエローラブ「ルビイ」とペアを組んで、もう5年が経つ。 その間に、当然のごとく色々な事があった。 ブラックラブの「オディール」も迎え入れることができた。
様々な体験は、ますます私をアジリティーの魅惑の沼に引き入れる。 もう、この楽しみから抜け出すことは出来ないだろう。
そして、私たちペアの目の前にはいつも「憧れの彼女」がいる。
彼女に会えてよかった・・・同じ時代に生きていてよかった・・・。
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